月に1回開催しているスタッフミーティングが先日開かれました。今回の研修テーマは「偏見を使いこなそう」でした。「偏見」は『良くないこと』の意味合いとして使われて、ネガティブなイメージを持ちがちですが、今回の「偏見」とは、漢字そのままに「ものの見方の偏り」 という意味であると、研修の講師を担当してくださった株式会社イミカの原田さんがご説明くださいました。
研修が始まってすぐに原田さんから出されたアイスブレイク(チェックイン)は「今の気持ちを色で表すと何でしょう。そして、なぜその色を選びましたか」というお題。1分で取り組みました。
気持ちを色で表現することに迷う人、選んだ色の説明をするのに行き詰る人、同じ色でも選んだ理由が異なる人などがいましたが、様々な気持ちの色や理由が出てくる時点で1人1人の「ものの見方」が異なっていることが垣間見られたひとときでした。でも、その時はお互いに「○○の色の気分なんだね」「その色を選んだ理由はそういうことなのね」という程度の認識だったのではないかと思います。
続いて、《あなたは、「私にはものの見方の偏りがない!」と、言い切れますか?》と、原田さんから質問を受けて「偏見」について具体的に掘り下げていく研修がスタート。六眼モデルを使って「偏見=ものの見方の偏り」について、ご説明をしてくださいました。
六眼モデルは、国際経営や比較文化研究から生まれた理論ですが、ものの見方や感じ方、行動の仕方のパターン(=文化)の違いが表れやすい視点が6個あるというものです。実際にその六眼モデルを見ながら、自分がどの視点に立ちやすいのかをセルフチェックしたり、その結果をグループ内で共有したりすることで、それぞれの文化を持っていることを再認識する時間になりました。
最後に、とあるインタビューの発言の一部を取り上げて、その発言から六眼モデルのどの視点に当てはまるのかを考えたり、もし違う視点の場合は発言はどう変わってくるのかを考えてみたりしました。事例を使うことで、視点から出てくる発言の傾向が何となくイメージが持てたように感じます。
セルフチェックやグループ内での共有、事例を経て、「偏見」について
1)人は誰でも偏見を持っているけれど、どんな偏見が人の言動を印象付けるのかの自覚が乏しい。
2)コミュニケーションは偏見と偏見のぶつかり合いのため、異なる偏見の人には否定的な感情を抱いてしまう。
3)偏見を意識的に使い、逆の偏見で関わることで、良き対話相手になれてコミュニケーションが上達する。
ことに気づきました。
偏見を上手に使いこなすことで、自分や状況変化に対応する余裕が生まれることを知った私達に、原田さんは重ねておっしゃいました。「偏見を上手に使いこなそうと思ってもすぐに活用できるわけではない。でも、人によってものの見方には色々あることを知ることが大事。そして、意識しながら使っていくことで身につくものなんです」。そして、アイスブレイクの時に「色を表現しやすい人」「説明は安易にできる人」に分かれたのも六眼視点からくる視点の違いだとご説明をくださり、アイスブレイクの意図が終了間際に解明されたのでした。
今回の「偏見」の研修は、3月の研修テーマ「ものの見方・考え方」からつながる内容でもあり、「ものの見方」について、様々な視点で掘り下げていくことは、今後もスタッフにとって重要なテーマになりそうです。