フォーラム「関わりが生まれるカフェ/居場所が増えていくために必要なこととは?」に参加して

2月2日に「社会的孤立を防ぐ『地域コミュニティ構築人材』の育成と展開事業」の報告会が行われました。法人としての報告書は現在作成中ですが、今回は、一参加者として参加したスタッフの感想をご紹介いたします。

まず、昨年7月より始まった「ここちよい関わりが生まれるカフェのつくりかた」連続講座に参加していた団体さんから、これまでの軌跡について発表がありました。講座を通して、自分たちの思いや理由、思い描いていることや悩みを1つ1つ掘り下げて具体化させていく作業を通して方向性が明確になり、着々と前進している様子を伺うことができ、講座の有効性を感じました。相談できるところ、助言をくれる人、インターンで実務体験ができること、居場所立ち上げを目指して取り組んでいる団体さんが全国あちこちにいる、情報交換ができるという環境を作っていくことで、全国各地に居場所が立ち上がっていくことが少しずつ実現していくことを感じました。

また、早稲田大学の石田先生との共同研究報告(「居場所への関わりが生まれる仕掛けについての調査結果)では、興味深い結果をたくさん聞くことができました。例えば、未就学児がいる時は仲間や居場所を求めた参加に対して、就学後は社会貢献や能力発揮を求めて居場所への参加をするというように、『居場所』の意味づけが子どもの成長と共に変化していくという結果は、自分の経験と重ねても頷けるものでした。そして、子育て支援拠点のように一定期間だけの居場所ではなく、長期にわたり自分で関わり方や関わる頻度を選べるゆるさの有無も大きなポイントだと感じました。居住地から30分以内の距離に居場所がある=居場所はたくさんあった方がいいという結果は、居場所づくりを展開していきたいとの想いを背中押ししてくれるものだと思います。

最後に、居場所づくりを「官民で支えるためには?」というパネルディスカッション。様々な立場の方が関わり合って、居場所が立ち上がりやすくしていく仕組みがあるのは心強いと思いますが、仕組みがないと難しい時代になったことを感じました。また、関わり方1つをとっても、『直接関わる』以外に、『場の提供』『応援する』『伝える』…など、選択肢があることにそれぞれが気づいていけるともっと関わりやすくなるのかもしれません。

このフォーラムは満席での開催だったとのこと、それだけ「関わりが生まれる居場所づくり」に興味を持っている方が多いことを改めて感じ、今後全国各地で「関わりが生まれる居場所」が増えていくためのステップに繋がっていくことを願っています。