コミュニケーションを取ってみようという企画です。
当日は、6名の参加者の皆さんと企画担当3名で、
きこえないママ×まちプロジェクト(https://deaf-machiproject.amebaownd.com/)で
現在作成している「指さし帳(飲食版&会計版)」と筆談を交えてランチの注文からスタートしました。
メニュー表をそのまま指さして、ランチの種類を注文することはできますが、
「飲み物は?」「冷たい」「ホット」などの細かい部分は、
ジェスチャーや指さし帳、その他の質問はテーブルに敷き詰めた模造紙に書いてやり取りするなど、
臨機応変に使い分けていました。
ランチが届くまでの間、隣同士でペアを組んでおしゃべり。
お互いペンを片手にせっせと伝えたいことを模造紙に書いたり、頷いたり、指さしたり、
ジャスチャーをしたりと今持っている手段をすべて出し切って伝えようとしている姿が見られました。
時には手が動きすぎて、コップや衝立が倒れそうになるハプニングも。。
特に聴者の皆さんは筆談すると言いたいことが追い付かなくてもどかしくなるのかなと
想像していたのですが、あちこちから言葉が模造紙に紡がれ、
あっという間に模造紙が文字で埋め尽くされていました。
模造紙に書かれているペア以外の会話を後からのぞき込んで、
そこからまた話が広がるというタイムラグのある展開も筆談ならではの醍醐味なのかもしれません。
終わった後の模造紙を見てみると、字の向きや文字が走り書きになっていようが関係なく、
とにかく伝えたい一心でペンを走らせてくれていたこと、文字で喜怒哀楽が表れているところもあり、
1人1人がありったけの手段でコミュニケーションをとろうとしていたことが
十分に伝わってきた足跡がみられました。
数名の方に感想を聞いてみました。
《1人目》
筆談の良さを感じました。声や手話よりもタイムラグはあるけれど、
その待っている時間も「何を書いているのかなぁ」「次はどんなお話をしてくださるのかな」
などワクワク感が高まって、普段とは違う心地よいテンポのおしゃべりだった気がしました。
《2人目》
筆談だとだれがきこえる人で、だれがきこえない人かわからなかったけれど、
「あえて知らないままでいた方がいいかも♪」とその場を楽しんでみました。
松本(耳がきこえません)自身は、筆談で紙が埋まっていくと、
どこに何を書いたかを見失うことがあったのですが、
「なになに?」「どこに書いてある?」
などと気兼ねなく聞けたこと、誰かが書いている文字を追いながら、
みんなで『同時』に心から笑い合えたことが何気に嬉しかったです。
手話がわからず、手話で飛び交う様子を目がキョトンとしながらも必死で追っていた様子を見て、
思わず笑ってしまったのですが、いつもの松本はそういう顔をしているだろうなぁと思いました。
手話で話していた人たちもハッと気づいて「つい…」って苦笑い。まさに立場が逆転していたひと時でした。
筆談ならきこえるきこえないに関係なくおしゃべりができる!伝わる!と思ったのですが、
同じ場に目が見えない方がいたら、どうやってコミュニケーションを取るのだろうか?
という疑問が出てきました。
実際に試してみたいという意見が多数出てきたので、またの機会を設けるつもりです。