こまちぷらすには様々な事業部があり、事業部によって活動する場所が異なったり、ワークシェアをしていたりするため、スタッフ同士でじっくりと話す機会が少ないのが現状です。そこで、普段は顔を合わせることの少ないスタッフがペアになってスイッチインタビューを行いました。
第4回目となる今回は、「こまちカフェ」キャストの大辻、「こよりどうカフェ」キッチンの菅原、「こよりどうカフェ」事務兼キャストの足立のグループです。この3人は、こまちぷらすが担っている「戸塚宿ほのぼの商和会」事務局の歴代メンバーで、2024年11月から足立が4代目を引き継ぎました。
戸塚宿ほのぼの商和会は、JR「戸塚」駅西口のこまちカフェのある戸塚小学校近辺と、国道1号線付近に点在する100を超える商店で組織されています。区役所の移転を機に2007年にできた商店会で、さまざまなイベントを通して商店会の活性化を目指しています。
戸塚宿ほのぼの商和会 – 笑顔あふれる戸塚の下町商店会
話のきっかけとして、「こまちぷらすが商店会の事務局を担うようになった理由」を2代目の大辻が話してくれました。
こまちぷらすがほのぼの商和会の事務局を担うようになったのは…
大辻)商店会事務局2代目の大辻です。2017年5月~2020年8月まで担当していました。初代の事務局は別の方だったので、聞いた範囲にはなってしまうのですが、こまちぷらすが商店会の事務局を担うことになった直接のきっかけは、商店会の世代交代だったようです。当時の役員さんたちは60代から70代の方が多かったこと、事務局だった方が移転されてしまうとのことで、こまちぷらすが事務局をお引き受けする形となったと聞いています。打診を頂いたときには驚きましたが、子育てをまちで豊かにという私たちのビジョンを考えた時に商店会の活性化やそこでのあたたかいつながりは不可欠な要素だと思いお受けすることにしたそうです。
子育てをしていると、家と買い物と公園の三角形の中で世界が閉じていくような感覚になることがあります。その三角形の一つの頂点である買い物をする場所が変わり、子育て中の方々がまちや社会とつながる接点が増えたらいいなと思ったことが、こまちぷらすとして事務局を受けた一番の理由です。
商店には個人店舗も多いけれども、そのマスターや店主さん、店員さんが「お子さん大きくなったねー」といった声かけをしてくれて、みんなで成長を見守ってくれたら最高ですし、その皆さんとの接点を通して生きている世界がほんの少し広がったらよいなという思いがありました。そのためにも私たち自身が個々でみなさんとのつながりもつくっていく必要があると思いました。
もう一つの理由は、子育てを応援したいと思ってくれている人たちがいっぱいいるけれど、関わるきっかけがないし、どういう声をかけたらいいかわからないという話も聞いてきたこと。「まちの人も商店の皆さんも熱くて想いのある人たちがたくさんいる。その皆さんと子育て中の皆さんが出会える機会が増えたらと思った」と、代表から当時のことを聞いてきました。
2016年に事務局をお引き受けし、私が事務局をしていた2019年に商店会のビジョンを皆さんと作りました。
それは、「子どもも高齢者も障害のある人も、誇りと居場所と出番を感じられる地域」というもの。今、すごく会員さんも増えていて、これに共感してくれてる人たちが集まっている感じなのかなと思います。今は 30代 から 50 代が中心となっているので、私が担当していた頃と比べてもいろいろ変わったと思いますね。
今回、森さんから改めて話を聞いてきたけど、そういう流れがあっての事務局ですよね。当時は集金などの日々の業務ばっかりに追われていたけど、そういうことがあったんだなって改めて思い出しました。
商店会事務局を引き継いだ理由
大辻)そして、私が商店会を担当することになったきっかけなんですが、偶然が重なっての巡り合わせでした。私自身、結婚して子供が生まれてずっと家庭に入っていて、専業主婦が長かったんです。下の子が高校に入ったときに、そろそろ働こうかなって思い仕事を探していたのだけれど、思うような仕事が見つからなくて。日常的に戸塚駅に行く時にはこまちカフェの前を通っていたんですが、5時に閉まってしまうからなかなか行くタイミングがなかったんです。本当に偶然、営業時間内に行けた時があって、雑貨を見にカフェに入りました。ランチタイムですっごい忙しそうだったのだけど、当時のキャストがしゃべりたそうにしていた私を察して、「ちょっと待てますか?」って声をかけてくれたんです。
足立)そうだったんだ。
大辻)なんかね、すごい気さくに声をかけてくれたんですよ。こまちのことを前から調べていたんだけど、ボランティアは募集してるけど、スタッフは募集していなかったんですよね。だからパートナー制度についてメールで問い合わせようと思ったところだったのだけれど、言葉にするとうまく質問ができないなと思って、直接こまちに偵察に行ったんだよね(笑)。そこで、カフェで働きたいという希望や仕事を探しているって話もしました。
その時に、「カフェでスタッフは募集してないんだけど、商店会の事務は興味ありますか?」って、教えてもらったんです。対応してくれたキャスト以外にも当時のこまちカフェの店長や色々なスタッフが話しに来てくれたことを覚えています。最終的に、翌日だったら代表もいるから…って言われて、あれよあれよと話が決まって…なんかね、商店会が地元だったし、その界隈に自分も住んでいるし、なんか楽しそうかなって思ったんですよね。
パソコンとか全然できなかったんだけど、やる気があればいいんだよ!少しずつ覚えて行けばいいからって背中を押してもらうくらい、受け入れ体制がすっごく良かったんです。やってみてダメならやめたらいいかな…という軽い気持ちでやってみたら、すごく居心地が良かったんです。大変なことも多かったけど、色々な人と話すのが大好きだったのもあるかな。結局、2017年~2020年まで務めました。次に担当したのが菅原さんです。
菅原)はい。2019年5月~2024年10月まで担当していた菅原です。3代目ですね。商店会の引継ぎもあり、1年くらいは大辻さんと兼任でした。こまちぷらすには、それより前から関わっていました。
少し遡って、こまちぷらすに関わり始めたきっかけは、地域の広報誌でこまちカフェの紹介記事と見守りボランティアを募集しているというのを見つけたことです。当時、息子二人を保育園に通わせて別の仕事をしていたのですが、仕事のお休みの日に見守りボランティアをするのもいいかも!と思って、こまちカフェに問い合わせをしました。
私自身、地元で子育てができていて、実家も近所にあるし、兄弟もわりと近くに住んでいたので、何かと周りの人を頼って子育てをさせてもらってきたし、それがとてもありがたかったから、別の形で恩返しといったら大袈裟かもしれないけど、自分も誰かの役に立てたらいいなっていう気持ちをいつしか持つようになったんです。
当時、仕事と子育てを両立していたし、息子達が大きくなってからは会話も幼い時に比べて「あんなに可愛かったのに小憎たらしい!!」なんて思う瞬間もなくもなくて(笑)ただただ、赤ちゃんに癒されたいっていう気持ちがあって…こんなに堂々と赤ちゃんを抱っこさせてもらえる機会なんて、普通に生活してたらなかなかないのでね。『見守り』っていう距離感もとても魅力的だったんです。
不思議と見守りで赤ちゃんと触れ合ったあとは、息子たちにも優しく接してられる自分がいたり「今日、赤ちゃん抱っこしたんだ~」って家で息子たちと会話をしてほっこりできることもあって、日常の中に少しの変化を持つことでうまくいく事があるんだなって思えたんです。
足立)それはいいですね。
菅原)見守りのボランティアをしてると、スタッフの困りごとも聞こえて来るんです。もともと飲食業で働いてたので、カフェの業務にも興味はあったし、自分にできることならと、見守りボランティアの後にお皿洗いも手伝うようになりました。そのうち、カフェのキャストの退職などでスタッフを募集するタイミングで、それまで勤めていたパート先を辞めて、カフェのスタッフとして働くことにしました。
そこからは、ランチのキャスト→調理補助→午後のキャストと色々やってきました。午後のキャストをやっていた頃は、大辻さんが商店会の事務局で、当時の会長さんが時折カフェに来ては打ち合わせをしていることもあって、商店会の事はこまちカフェの中から見ていました。
そんな折、CRファクトリーさんのコーディネーター研修を受けさせてもらったんです。今までカフェの中だけだったけど、一気にパーっと世界が広がりました。パートナーさんの想いに触れる機会もたくさんあったし、2017年にはパートナーさんと上映会を開催したり、報告会やウェルカムベビープロジェクトで司会をやったりとチャレンジさせてもらう機会や場面がたくさんありました。
そんな様々な経験を経て、2019年に商店会の事務局の交代の話を相談されました。自分に事務局ができるかはまったく未知だったんだけど、人と人をつないだり人の話を聞く事にとても興味をもっていた頃で、カフェだけじゃなくて地域やカフェの外側を知りたいっていう気持ちも芽生えていたなと、今思い返すとそんな記憶ですね。その後、2024年10月までの約5年間、商店会の事務局をやらせていただきました。そして、4代目の足立さんにバトンタッチとなりました。
足立)はい、2024年11月から引き継いだ4代目の足立です。私は2023年12月に長く働いていた会社を早期退職しました。次のセカンドキャリアでは自分がやりたいことをやろうっていう思いを持って退職したのですが、ビジョンに共感できる団体で働くことがそのひとつでした。
いろいろ調べていく中で、こまちぷらすのことを知って興味をもったのですが、求人も出ていなかったですしどうしようかな、と。でも、ある時、本当に思い切ってこまちカフェに飛び込んだんですよ。
大辻)あら、私と同じね。
足立)ね、同じですよね。同じような感じで飛び込んだら、多分、私も話をしたいなっていうオーラを出してたと思うんですが(笑)、キャストと店長が迎えてくれて、話を聞いてくれました。退職後、 1 ヶ月半ぐらい経ってたかな…家族以外の大人と話す機会が全然ない時だったから、すごい勢いで話し出したと思うのですが、「パートナーっていうのがあるからやってみない?」と声をかけてもらいました。話を聞いてもらったことで、パーッと道が開けるような気持ちになったんです。ここにいれば何かが起こりそう!という気持ちになったことを鮮明に覚えています。
とにかくやってみようと、すぐにパートナー登録して、お手伝いをさせてもらうようになりました。元々食には興味があったので、キッチンでお手伝いできることがすごい楽しかったです。スタッフの皆さんの人柄も良くて…居場所づくりへの姿勢とか、何より皆さんがカフェが大好きでとても楽しそうに働いてるその姿に感動したんです。こんな職場ってあるんだ!って思って。こまちぷらすっていいなって思っていた時に、こよりどうカフェでの求人があったんですね。これはチャンスだと思って応募したらご縁を頂けて今年の 8 月から働き出したんですが、 1 ヶ月半位経ったころ商店会に興味はあるかな?と話があったのです。商店会?って思ったんですが、こまちぷらすと関わるようになってから居場所づくりにも興味を持ち始めて、「居場所づくり講座」を受講しているのですが、地域と関わっていくことがやっぱり大事だなっていうことを感じていました。
大辻)私も第 1 回目だったかな、受講しました。
足立)本当ですか!私は今まで 20 年以上戸塚に住んでいるんですけど、ずっと都内で働いていたこともあって、あんまり戸塚に自分が馴染んでいないような気持ちもあったので、商店会のお話も何かのご縁かなと思いました。たまたま最近商店会のイベントが重なって地域の方々とお話しする機会がたくさんあったのですが、本当に個性的で皆さん温かい方だなっていうふうに思っているところです。私自身はもともと、あまり積極的にコミュニケーションを取っていくタイプじゃないんですけど、ちょっとずつ馴染んでいけたらいいかなって、今は思っています。
大辻)こまちに初めて来た時や、きっかけが私ととても似てますね。カフェにも興味があるのかな?
足立)うん…でも事務職が長いので、やれることは事務系の仕事かなとも思いつつ、居場所を作るっていう意味ではカフェの仕事もすごく興味があります。今もこよりどうカフェでも楽しくやっています。
大辻)こよりどうカフェでは事務兼キャストなんですね?
足立)はい、接客も初めてで手探りな感じです。居場所型のカフェなので、普通の接客とはまたちょっと違うっていうところで、更に手探りです。先輩方の様子を見ながら、自分なりのやり方みたいなのを探している最中なんですが、日々勉強だなと思っています。
大辻)そうなんだね。
足立)大辻さんは商店会の事務局をやっている時は、カフェの方は全然やってなかったんですか。
大辻)商店会のことしかやってなかったんです。最初、カフェをやりたいって言っていたから、毎回マネージャーとの面談の度に「カフェやりますか?」って聞かれていたんだけど、両方とも担うのは事務量も多くてできないなと思ったんです。カフェにも入るとカフェの方に時間を割くようになってしまうからちょっと無理だなと思ってずっと断り続けていました。いよいよカフェ事業部に異動しようとなって、商店会を次の人に引き継いだ形ですね。
足立)確かにカフェのことと商店会のことを両立するのはなかなか難しい部分もあるかもしれないですね。私がちょうど入ったのが 11 月からなので、イベントも多かったです。
大辻)ほのぼのフェスタの時だもんね。 11 月って一番忙しい。
足立)そうそう。洗礼を受けた感じでした(笑)。やっぱり大変な部分もあるんですけど、皆さんと分担して助け合って終えることができました。すごいことを引き受けてしまったんだって思ったりもしますけどね。会長をはじめ、皆さんが助けてくださるので、頑張れそうな感じがします。
大辻)ゆうこりんなら全然できると思う。コロナが明けて、お祭りなども増えたからね、イベントが増えて大変そうな感じがするかもしれないけど。
足立)ありがとうございます。大辻さんや陽子ちゃんが事務局と商店会の皆さんとの関係性を上手に作ってくれたから、やりやすいんだろうなって思います。
菅原)歴史のある商店会、世代交代は時代が巡るからこそ避けては通れないことだけど、いままでその道すじを築いてくれる人がいたからこそ、そこに街があって、事務局も当時から今までバトンをつないで、そんな街の一部に加えてもらってる事がすごい事だなって改めて思います。
足立)私のこの1年は、いろんなご縁に恵まれたなと感じています。人とのつながりってご縁で成り立っていると思うんですけど、それがこれからも広がっていくと思うと、商店会の事務局としてちょっとプレッシャーもありますね。でも、自分らしく一つひとつ積み重ねていけばまた新しいご縁が生まれると思うので、その気持ちは大事にしていきたいです。事務局をどれくらい担当するかわかりませんが、振り返ったときに『良い経験だった』と思えるよう、自分らしさを忘れずに頑張りたいですね。
菅原)ここ最近は新しい会員さんもまた増えてこれからの商店会や戸塚の街の動きもまだまだ未知数でその時代時代で生きる人たちで街は作られていくんだなってすごく感じてます。
だから、ゆうこりんらしさを大切にやっていきたいって気持ちはすごく頼もしいし、これからのほのぼのもきっと魅力的な商店会になるんだろうなって思います。
足立)ありがとうございます。あまり無理はしないで、自分のやり方でやるのがいいのかなって思っていて。
大辻)みんなそれぞれでいいと思います。お店を1人でやっている方が多いから、なかなかお店から出れないことも多いし、ちょっとした雑談も大事かなって思って私はたまにご飯を食べに行ったりしていました。
足立)なるほど。
大辻)私は家が近いから何かのついでに「食べてみようかな」「買ってみようかな」「髪切ってみようかな」っていうくらいの軽い気持ちだったけど、そういうちょこっとしたところで、店舗さんのことを知るきっかけになった思い出があります。でも、本当にそれぞれのやり方でよいと思う。
菅原)大辻さんが言ってたように、ちょっとした会話から、必要な時にはパッと顔が浮かぶ人がいて、おつなぎするような事も事務局だからこそできた事だったなって思い出しました。
足立)確かに実際会って話すと、印象が変わることってありますもんね。あとは楽しくやっていくのが一番だと思います。せっかくだったら楽しんだ方がいいですよね。
大辻)そうそう、楽しくやってほしいと思いますね。なんかさっきカフェが楽しそうって言ってくれて、すごい嬉しかった。
足立)本当ですか。
大辻)「働いてる人が楽しそう」っていうのがなんか良かった。
足立)なんかカフェのことが好きなんだなってそういうのいいですよね。それは、スタッフとして働き出しても変わらないですね。
最後に…これからこまちぷらすでやってみたいことを教えてください
大辻)私は今はメインは午後のキャストなのだけど、こまちカフェの冬メニューを考える当番が回ってきたんです。メニューを考えるのは楽しかったけど、とても大変なことも多かったんです。
足立)食べるのを楽しみにしてます。アニバーサリープレートもとても美味しそうだと思いながら見ています。
大辻)冬メニューやアニバーサリープレートも是非食べに来てね。美味しいものを提供したり、こまちカフェは居場所もすごく大切だと思ってるし…後半キャストをやっていると、カフェにお一人で来店する人とお話もしていて、居場所カフェっていう感じなんです。居場所となる部分にもっと力を注いでいきたいと思います。ランチはもちろん、午後のカフェももっと居心地のいい場所として盛り上げられたらいいなとは思っています。
足立)私は、こまちぷらすに入職してから日も浅いので、こよりどうカフェの事務兼キャストも商店会の事務局の方もまだまだこれからです。あとはもっとこまちぷらすのことを知りたいですね。いろいろな事業をやっていてわからない部分もあるので、もっと知っていきたいなって思います。
菅原)2人のこまちぷらすに関わるようになったきっかけも、スタッフに話を聞いてもらったことでしたね。一歩踏み出す先に、カフェっていう場所があるのがやっぱり大事なポイントなんだろうなって。雑貨があって、お茶が飲めたり、美味しそうなご飯やお菓子があったり、それも色んな人の入口につながる事なんだろうなって思いました。聞いてもらう事で道がひらけるような気持ち、やってみようって気持ちになるって聞いて、こちらもワクワクしちゃう。そんなカフェをこれからも続けていきたいですね。