《クラファン》市民活動・福祉・ビジネス・・・の間に

カフェ型の居場所をつくりたいとたくさんの方が全国からお問合せ、講座のお申し込みいただきます。今まさにクラファンをしながらその立ち上げ運営がしやすいようにしていこうと準備を始めています。

ビジネスでも福祉でも市民活動でもいろんな立ち上げ支援や運営支援は既にありますが、どこにもあてはまらないものがここにあると思います。

そのどれでもないというのは、ビジネス系の講座(ビジネススクールや様々なスタートアップ支援の事業)はエクセルワード等を使いこなし、様々なビジネス用語や前提を知っていることを前提としているものが多い。逆に福祉系の様々な講座や事業もありますが、「支援の在り方」というところから入る講座も少し違う・・・そもそも「支援」がしたいわけではない。また、市民活動系はボランティアをベースとしているものが多く、できればその本業にしていきたい、多少収入が得られる事業モデルにしていきたいと思うとそこも少しだけ何か違うものを知りたい学びたい。

この何とも言えない、どれでもありどれでもないような感じを聞いてきました。ただ、先日も30-40代の方向けの場づくり系の市内の実践例をツアーでまわる講座をとある区が募集したところ〆切前に既に定員オーバーとのこと、、、、私たちの周りでもこのくらいの世代からの「場をつくりたい」という方からの相談が多いので確実に必要としている人が増えている実感があります。(以前はもう少し年齢が上だった感覚がありますが)

■立ち上げたいというときにまず考えること

どんな場も、私は何故それをつくりたいのかの問いをしっかり立てることが大事です。

ここが曖昧だとその後の枝葉を考えるときに大きく迷いが出てきます。そもそもつくりたいのは「場ではない」という気付きが生まれることも多々あります。

「社会の為に」というところだけだと、本気で自分も行きたいと思える場にもならずやってあげている感が満載の場になってしまいます。そういうところは、なんとなく人が足が向きにくい、少し行きづらい場になります。

自分が心底やりたい、と思う場であると同時に、そこからの人の関りがどう広がっていくのだろうということ、その余白、、面白タッチポイントがどこにあるのかも、単なる飲食店や商売でなく居場所をつくりたいと思うならばとても大事になっていきます。

■それだけでも難しい・・収支をどう考えるか

何故つくりたいのか、つくりたい場のイメージを膨らませるだけでなく、それを事業としてどう立ち上げどう続けるかの設計も大事です。

よくあるのは珈琲は100円、ランチも500円以内で提供しつつ、家賃も人件費も払えるようになりたいということも聞きます。そういう場を成り立たせようとすると収入(とっても少ない)と支出(超絶莫大)の間をどう埋めていくかの「方策」が必要です。

補助金だけでそれを埋めていく、もしくは収入の多くをその補助金で賄う形で日々運営する、となると、限りある財源の中でできる場の「数」が地域に1-2か所と限られてきます。

また、自分たちがつくりたい世界感で、自由度高く、「支援計画」のもとに事業や関わりを考えるのではなく、今あるニーズとアイディアで形にしていきたいという方もいるでしょう。そういう時に、収入をある程度生み出す柱を持ちながら事業を運営していくという発想があると比較的できることも増えていきますでしょう。ただそこに切り替えていくのはなかなか大変なのも事実です。

■収入の柱をつくっていくという場合・・

こまちぷらすは全事業の収入の約収入が事業収入(カフェ等お売り上げ)、それ以外がご寄付・ご協賛・研究事業のための助成金で残りの半分を賄っています。

事業収入の部分はある程度「ビジネス」的な要素を踏まえて設計する必要がります。カフェというのは3年での倒産率6割というなかなか厳しい業態です。

様々な経験を積んできたプロでも難しい業態ですが、その背景には、実際に足を運びたいと思っていただけるような世界感とメニュー開発、来ていただいたときに居心地よい空間となるための「人」やチームの在り様、表には出てこない様々なオペレーション業務や地道な広報。。。

私たちも上手にできていないことたくさんありますが、手探りでこの一つ一つのオペレーションを回すための帳票類をスタッフがつくり、途中可能な限り情報共有や様々な取り回しを紙ベースからオンラインへの切り替えをし(数年かかりましたが)、一歩一歩つくってきました。

立ち上げる11年前に、こうした内容が体系立てて、かみ砕いた状態で知る場があればと思っていました。その思いから、数年前から講座(立ち上げ講座や実務講座)をつくり、3年で70団体・個人の方が全国から参加してきました。「私が何故、どんな場を、どんな収支イメージでつくりたいのか、どんな関りをつくっていきたいか」を言語化するというものです。

■座学で学ぶだけでは難しい

しかし、これを一度「座学」で学んだからといって、うまくいくという話ではまるでありません。まだ構想をするというだけですので、より実務イメージを膨らませて厳密な資金計画収支計画に落としていく必要があります。資金調達をし、場を見つけ、仲間を見つけていくというプロセスがあります。(既に仲間はいる、場はある、お金はある、どれか一つはあるという人も時々いますが)

この孤独な長い道のりを1人ではなく、仲間とともに実現しやすいようにしていきたい。そのために、これまで全国の皆さんに届けてきた座学に加えてインターンと各地域でつながりをつくっていく、その土壌づくりをしていくことにしました。

こまちぷらすが既にやっている座学に加えて、インターンとつながりづくりをこれからやっていきます。昨年度一度座学とインターンのパイロット事業は長野県・長野市にて実施できました。(詳細はこちらのPDFのP.6)

これをさらに広げていくために、2025年までに10地域で実施していきます。各地域10人が参加する想定をしているので、100人の方がこの挑戦に参加している状態になります。

つながりは志を同じくする人たちのまわりにどんどんできています。異分野異業種にその志をもったひとがいることを知りました。その全国のネットワークをつくっていきます。

お金の流れを新たに変えようとしている方や、全国の商人をつなげている方や、居場所と孤立の関係を学術的に分析しデータ化してきてくれている学者の方、母親の状況をアップデートしようとしている方や、場づくりの支援をしている方、お寺のネットワークで活動をしている方等様々な方とこの1か月改めて対談などで話し、構想をともに膨らませて、全国の「カフェ型居場所」を支えるネットワークをつくろうと今動き始めています。これまで、融資を受けるにも門前払い。物件を借りるにもなかなか貸してもらえない、理解されない、伝わらない・・・そんなお話を聞いてきましたがそんなこともないように社会の中でのこういう場をつくっていく価値を共有していきたいです。私の暮らすまちで、こういう場をつくりたい、と思ったときにつくりやすい土壌づくりが今必要です。


これまでの対談記録

1)社会の中のお金の流れ/価値を変えようとしている非営利株式会社eumo代表取締役 新井和宏様

2)全国の地域金融をとりまとめている一般社団法人ちいきん会代表理事 新田信行様(元第一勧業信用組合理事長)

3)全国の勢いのある商人たちをまとめている地域商人代表 泉一也様

4)孤立孤独における研究においては日本の第一人者早稲田大学文学学術院教授 石田光規教授

5)全国のお母さんたちの状況をアップデートしようとしている母親アップデートコミュニティ代表鈴木奈津美様


対談記事にはなっていないですが、他にもたくさんの方がこの構想に向けて話し合い対談をしてくれました。

ありがとうございます。

こまちぷらすが取りんでいるクラファンの詳細はこちら