地域の皆さんの手によって生まれている背守り

ウェルカムベビープロジェクトでは、横浜市戸塚区(鶴見区・松戸市・茅ヶ崎市でも実施中)で生まれた赤ちゃんとそのご家庭に、赤ちゃんと家族をお祝いする気持ちをこめて、地域と企業から「出産祝い」をお届けしています。

出産祝いの中のプレゼントの1つに『背守り』があります。

『背守り』はかつて着物に直接一辺一針で縫われていた魔除けのお守りの文様です。プロジェクトでお贈りしている背守りは、赤ちゃんの洋服やバックに縫い付けられるよう「さらし」を丸い土台としてワッペンのような形にし、洗濯機で洗ってもほつれにくいように縫い方を工夫し、ひとつひとつ地域の方々が手縫いで作っています。

この背守りを地域の方々に縫っていただく活動は、2015年から続いています。戸塚区地域子育て支援拠点とっとの芽の場所をお借りして月に1回「とつか背守り会」を開催をしてきたり、東急プラザ戸塚でのイベントに出展したりと、色々な場所で背守りを縫う機会をいただいてきました。

現在は、「とつか背守り会」に加え、“NPO法人いこいの家夢みん”や“上倉田地域ケアプラザ”での「ちくちくの会」でも定期的に縫っていただいているほか、昨年12月からは、“老人ホームゆかりの里”でも縫っていただけるようになりました。“老人ホームゆかりの里”とは地域の連携でご縁がありスタートしました。レクリエーションの時間に入居されている方が縫ってくださっているそうです。

縫ってくださるのは、子育てや孫育てが終了した手先が器用な祖父母世代の方が中心で、縫いながら参加者の皆さんとのおしゃべりも楽しみにされているとのことでした。時々子育て中のママさんがお子さんを連れて縫いに来てくださることもあり、「3世代間交流が素敵だと思う」と担当スタッフの荒井。

また、場には出向けないけれど、ご自宅で縫ってこまちカフェに定期的にお持ちくださる方もいらっしゃるなど、それぞれ縫う場所は違えど、お子様の成長を願って、一針一針心を込めて縫ってくださっています。

『背守り』自体も、初めて縫う方や小さいお子さん連れの方でも気軽に参加できるよう、図案や形を工夫しています。それでも「縫うのは敷居が高い…」「縫う時間は取れないけれど、自分ももらって嬉しかったから…」という方は、背守りに同封するメッセージカードにお気持ちを書いて届けてくださるという方法で関わっていただくこともできます♪

お子さんの誕生をお祝いしてくださっているまちの皆さんの手によって生まれていく『背守り』。子育て中の皆さまにもお気持ちが届き、またそこから新たな出会いが生まれることを願っています。