論文・研究一覧

こまちぷらすは居場所や活動を続ける中で、その価値や実務はほぼ共有/体系化されてきていないことに気づきました。結果、立ち上げ前に断念もしくは継続できず閉鎖というケースも多く見てきました。多くの人が必要としているにも関わらず成り立ちにくい分野だからこそ実務の体系化やその価値について調査研究をすすめ、一人でも多くの実践や居場所を支えるための仕組み検討に活用頂きたいと思います。

1. ”心地よい関わり”のある”居場所”をまちに増やしたい2022年度日本財団助成「社会的孤立を防ぐ『地域コミュニティ構築人材』の育成と展開事業」報告書

2022年度、日本財団の助成を頂きながら実施した事業の報告書です。 当法人による、心地よい関わりのある居場所をまちに増やすための講座やインターンシップの実践紹介、官民が連携した検討会を通して、社会への提言をまとめています。居場所づくりをしたい方と、それを支える方々の参考にして頂ければ幸いです。

”心地よい関わり”のある”居場所”をまちに増やしたい2022年度日本財団助成「社会的孤立を防ぐ『地域コミュニティ構築人材』の育成と展開事業」報告書

2. 豊かな参加・関わりが生まれている居場所の仕掛けや仕組みの可視化/分析

2018年10月より行った下記2の共同調査により、居場所に関わる人ほど孤立感が低く、自己肯定感が高いということが分かりました。2022年度の今回も早稲田大学石田光規教授にご尽力いただき、2の調査を踏まえたうえで、居場所において「どんな人が/どんな理由で」「関わり始め/関わり続けているか」を明らかにし、豊かな参加や関わりが生まれている居場所における仕掛けや仕組みを可視化・分析することを試みました。結果を踏まえ、居場所においてはどんな工夫があり得るかを考察することができます。

『居場所への参加に関する調査』報告書 (PDF)

3. 「居場所」としての価値の検証について

2018年10月より、早稲田大学の石田光規教授と認定NPO法人こまちぷらすとの共同で「子育てにおける孤立と居場所」についての調査研究を行いました。子育て期の母親に幅広くアンケート調査を行い、こまちぷらすに「関わりのない人」「関わりのある人」「関わりの濃い人」などを比較することで、こまちぷらすの場の価値を明らかにしました。調査結果では、こまちぷらすへの参加が「孤独感の解消」「自己肯定感の向上」に正の相関があることが確認されました。

「子育て期にある母親の居場所としてのNPOの可能性」(PDF)

4. 2018年度公益財団法人トヨタ財団「市民参加促進プログラム」実施報告書

「豊かな子育て」環境を実現するために、「まちの中で我が事として子育てに関わる人口を増やす」ことと「対話の場と出番を作ること」が大きな成果を生み出す「てこ」になると考え、こまちカフェにおける対話と出番を作るコーディネーションに2016年度より取り組んできました。こまちぷらすの実践を元に、神奈川県内の3つの団体の皆さまに向けて、2年間にわたり集合研修と個別訪問を通した伴走支援を実施し、「自分らしい活躍」ができる居場所が様々な地位に増えていくことを目指し、必要な視点や活動の設計をまとめたのがこちらの報告書です。

居場所を通じた「自分らしい」市民参加を育む~こまちぷらすと神奈川県内3つの居場所の実践と学びあい~(PDF)

5. 居場所に対話の機会を!WAM助成

こまちぷらすは、こまちカフェという居場所を運営しながら、「子育てがまちの力で豊かになる社会」を目指して活動しています。そして、居場所にたどり着くだけでなく、そこで自分の思いを言葉にし、誰かの思いに触れられるような「対話」の機会がそこにあることが大切と考え、こまちカフェにおいて様々な「おしゃべり会」を行ってきました。自分の思いをゆっくりと言葉にして交わしあう中で、子育てにまつわるちょっとした心配事や辛かったこと、嬉しかったことなどを話し合い、心強さや安心を得るような力が「対話」にはあると考えています。

そのような「対話の場」が様々な居場所に広がることを目指し、①対話のワークショップ「3枚の葉っぱ」で使用する「当事者の声」の内容のアップデート、②対話のワークショップ「3枚の葉っぱ」ファシリテーターの養成講座の組み立てと実施、➂ワークショップのオンラインでの開催を可能にするツール(ウェブページ)の作成の3つに、日本国内の様々な地域の団体の皆様との連携のもと取り組んだ報告書です。

co-machi対話プロジェクト実施報告書(PDF)

6. 小さな「できる」「やってみたい」から始まる、誰もが豊かに暮らせるまちづくり

飲食やイベントなどをきっかけに「こまちカフェ」を訪れた方々が、「互いに関心を持つ」や「自分の思いを語り合う」といったゆるやかな入口からスタートし、自分のやりたいこと見つけ、やがて「地域の誰かの役に立つ」までの循環を生み出す取り組みを日々実践し、対話と出番を作るコーディネーションを行っています。このような「人と人」や「人とサービス」をつなぐような“まちの担い手”に「結果的」に「いつのまにか」なっていた、という流れを、カフェという日常の場において生み出す実践と検証に、日本財団の助成を受けNPO法人CRファクトリーとの協働で2016年から2018年度に取り組みました。本報告書はその3年間の軌跡、ノウハウ、現場に落とし込む際の私たち自身の戸惑いや迷いも含めたポイント、こまちカフェ以外の場や機会での展開などをまとめています。

「“まちの担い手”がうまれるカフェ」への挑戦と広がり(PDF)