こまちぷらすでは、昨年1年かけて2030年の中長期ビジョンをつくりました。
といっても一枚の絵!です!
この絵には、2030年に実現したいことがたくさん散りばめられています。
込められた思いや考え
■大きな木と葉っぱ■
真ん中にあるのは大きな木。たくさんの人の声をのせた葉っぱのワークもやっていますが、たくさんの人の声と力(参加)をもとに事業をつくるというシンボル的な存在です。取り組む姿勢としては遊び心を大事にしたいと思い、その大きな木にはたくさんの人が遊んでいますね、なんだか表情を見ているだけで楽しいです。葉っぱが絵全体に広がっています、たくさんの子育ての「あったらいいな」が社会のいろんなことに反映されている、日本中世界中に届いていく、届けていく意思も込めています。葉っぱを糧にいろんな年代の人が車座になって話したりしていますね、そんな対話の場を常に大事にしたい。そんな気持ちも込められています。
■後ろにすけているのはレンコン■
理事会で「レンコン」というキーワードを出してくれた理事の方がいて、大きなレンコンが絵の全体の後ろ側に透けています。何故レンコンか=レンコンは切るところによって空いている穴の位置が違う、そんな場ごと組織ごと地域ごとの多様性を表しています。いろんなこまちで実践していることを多くの場や地域とも共有・学びあいながら子育てしやすい環境をともに広げていきたい、その先々の形は多様というその考え方を表しています。
■いろんな要素■
畑をやりたい、子どもたちの学びの場もつくってみたい、ご近所での助け合いの要素(Apartment)、産前産後の個別サポ―トにも挑戦したい、お洒落なお菓子工房やDIY工房、オンラインハイブリッドなワークショップをしていたり(人が一部透けているのは、2030年にはもうバーチャルに一部屋にいるだろうという予測から)、世界中のカフェとも自動翻訳で同じ空間にいるかのように情報交換をして新たな問いを得たり、いろいろとやってみたいことがたくさんあります。
中長期ビジョンを絵で描く意味
結果として絵を描くことになりましたが、出発点は中長期計画をつくるということでした。そのつくるメリットデメリットから理事会で議論をはじめ、話し合いを重ねた結果、数値目標等ではなく「絵」を描くということになりました。理由としては、①どこを目指しているか増えてきているスタッフやこまちパートナーや寄付者のみなさん、一緒に協働してつくるたくさんの団体や事業者のみなさんと共有するということが大事であること=そのためには絵のほうが共有しやすい ②つくるプロセスにスタッフが楽しく参加でき自分のやっている仕事とビジョンがつながっていくようなそのプロセスを大事にできること=そのためにも言語より絵の方がアイディアも出しやすく重ねやすい。③何よりワクワクする、チャレンジしたいという気持になる!といったあたりが背景です。
その目指す姿をスタッフと、関係者と何の為に中長期計画をつくるか、ということがやはり大事ですね。その答えは団体ごとに、そのタイミングごとに、異なるのかもしれません。今回はその描く絵そのものと同じくらい、プロセスそのものに価値を置くことを大事にすることにして、理事会とスタッフミーティングといったりきたりしました。
ちなみに、総会などで決議する事業毎の単年度計画や5年後のカフェ展開やウェルカムベビープロジェクトの展開等は目指したい量的な目安はおいています。それらと組み合わせてのこの絵の位置づけになります。ビジョンは固定化するものではなく、「都度見直し、更新する」ことを前提すること、共有受け継がれていくミッションとは別に少しチャレンジングでも目指したい具体的なイメージとすることなどを確認しました。
つくろう!となった背景
2018年1月にこまちぷらすとしては当時のスタッフ全員で法人のビジョンミッションの見直し、豊かな子育てというのは私たちの中ではどういう意味なのかの定義づけを実施しました。
しかしそこから2年ほどたちました。2020年度はコロナ禍で本当に大変な最中ではありましたが、だからこそ社会・環境変化、メンバーの変化等を踏まえて目指したい事の再確認をすることや自分の業務がどうつながっているか描くプロセスで感じていけたらと時間をかけてとりくむことにしました。
また、ビジョンと業務のつながりが面談などを経て少し感じにくくなっていることはコロナ以前から感じていたこともありました。コロナ禍だからこそでもあり、新型コロナとは別に組織のタイミングとしてもこのタイミングでビジョンを描くことは振り返っても非常に重要なことでした。
つくるまでの過程
2020年5月:中長期を描くことの役割を理事会として確認
2020年8月:絵という形でビジョンを描くということを決定
参考にしたのは、理事にぐるんとびーの菅原さんがいますが、そのぐるんとびーさんの絵です。この絵を描くプロセス等も聞きながらイメージを膨らませました。
2020年9月:ビジョン描くプロセスを一緒に考えてくれた担当外部理事の古川さんと中長期計画の決め方の決め方を検討(何を、どのように、誰が描くのかを明確化するなど)。
2020年10月:
外部理事が一人一人「刺激を与える絵」を描き発表。10年後のビジョンを描き、理事会にて共有。(下はその中での一つの絵)
2020年11月:
スタッフミーティングで外部理事が描いた絵をもとに、スタッフ20人以上が一人一人10年後のビジョンを描き、グループにわかれて内容や気づきを共有し合う。
2020年12月:
スタッフが描いた絵の中から理事会にて方向性を選ぶ
2021年4月:
スタッフ公開型でデザイナーさんに2時間ヒアリングをしてもらう。理事会・スタッフミーティング等のこれまでの議論を伝え、要素や考え方思いを反映をしてもらう。(デザイナーさんについては最後に記載)
2021年5月:絵の発表
気づき
日常の現場で動いていると、ついつい描くものが近いものになりがちで、外部理事の方からは、来年再来年できることばかりになっていないか。ワクワクする、気づきやはっとさせられるビジョンになっているか。。。等たくさんの気づきをもらいながら理事会とスタッフ会議やブレスト会議をいったりきたりしました。すべてを反映すると丸くなりすぎる、かといって、腹落ち感のない絵では意味がない。。。と悩みましたが最終的には、考え方や姿勢を木や葉っぱをシンボルとして真ん中に描くことで絵の構成が固まっていきました。この目指し方みたいのを可視化するプロセスだったのかということも終わってみての気づきでした。
最後に、書いてくださったデザイナーさんについて
この絵を描いてくださったのは、「アトリエあちゃらった」という屋号で活動されている1児のお母さんです。パステル調から今回のようなタッチの絵までかなり幅広く絵を描かれています。何より、人の中の頭にあることをヒアリングしながら、描いてくださるということを得意としている方です。法人向けのビジョン描きははじめてということでしたが、今回お願いをして本当にこんなことをしてみたいあんなことをやってみたいというのを上手に引き出してくださるプロだなと思いました。
法人のビジョンを描くというプロセスを今後考えようとしている方には本当におすすめです。私たちの場合は描くまで半年以上の議論やワークショップを法人の中で重ねた上での依頼でしたが、まだはっきりしないという段階でもキーワードをひろいながら目の前で描いてくださるのできっと何かお力になってくれるのではないかと思います。実際法人向けのメニューも今考えてらっしゃるとか。是非問合せてみてください。