クラファン9日目/ 「まちで子育て」にアップデートする~母親アップデートコミュニティ代表鈴木奈津美さんと代表森が対談しました♪

こまちぷらすでは、8/25(金)よりクラウドファンディングがスタートしました。
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クラウドファンディング対談企画の第3弾ゲストは母親アップデートコミュニティ代表鈴木奈津美さんにお越しいただきました!


森:今日はHUC(母親アップデートコミュニティ)代表のなつみっくすさんこと鈴木奈津美さんをお招きして、対談をさせていただきます。なつみっくすさん、よろしくお願いします! 

なつみっくすさん(以下、なつみっくす):よろしくお願いします!今日はありがとうございます。

森:今日は「なぜコミュニティを立ち上げて活動をされているのか」について触れながら自己紹介をしていただきたいと思います。簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?

なつみっくす:はい、ありがとうございます!母親アップデートコミュニティを2019年からやっておりまして、私たちは「母親を、もっとおもしろく」という理念を掲げていて、母親一人一人が自分の人生を面白くできること。それから、社会の中にある母親のイメージが少しネガティブなところがあると感じるので、そのような部分のイメージも含めて面白くしていきたいと思い活動をしています。また、「オンラインご近所システム」という表現をしているのですが、オンラインによって学びあい、励まし合えるつながりをつくっています。よろしくお願いします。

森:よろしくお願いします。まさに「つながり」は今日のテーマの一つだと思います。人間は未熟児で生まれるので、一人で子育てはできません。でも、今は孤立した子育てになりやすい環境になっています。そこが、こまちぷらすとしても変えていきたいところですし、母親アップデートコミュニティとしては、オンラインを使いながら変えていきたいと思っているということですよね。

なつみっくす:そうです!まさに。

森:それを始めたきっかけは何ですか?

■オンラインで「孤立した子育て」を変えていく活動にいたるきっかけ


なつみっくす:元々私自身は、母親や女性がもっと、自分の人生を楽しめたり可能性を広げられる社会が良いと思っていました。そして、自分の中でも仕事と家事や育児との両立にモヤモヤを感じていたのが、ちょうど2019年。その時に「NewsPicks」で「母親をアップデートせよ」というタイトルの番組観覧があって、そこに参加して、「私はこうゆう課題を感じています」と話したら、周りの人たちがまったく同じではないまでも、いろいろな課題を抱えていることに気づきました。であれば、一人ではなくつながりあうことで、何かできることがあるのではないかと思い、活動を始めました。

メンバーには都心部に住んでいる人と地方に住んでいる人が半々くらいいます。都心部で言えば核家族が進んでいるので、地域のつながりが私もほぼありません。何か困ったときに助け合えることがないと思っていました。同じような課題感を持っている人もいます。地方では、地域のつながりがもう少しあったりするかもしれませんが、同じような課題感をシェアできる仲間が居なかったり、もう少しこうだったら良いのにという想いを本音で話せる人がいないということがあります。自分の課題感を自分のキャリアや働き方、子どものことやパートナーシップなど、様々な課題感がある中で、課題感をシェアするだけが目的ではないものの、しがらみのない環境の中で話せる機会がない、という声もよく聞きます。

森:そうですよね。例えると、言葉が通じない島国で新規事業を立ち上げなさい、チームは0人、仕事内容は命を預かる仕事を任されたら、すごく心細いと思うんです。経験したことであれば別ですが、未経験であれば尚更。今の子育てはそういうところがありますね。楽しいことと大変なことの両方あるんですが、それを共有できる人がいない。「そうそう!」と言えたり、小さな誰かに聴くことでもないことを聴けたりするのは大きいですよね。

なつみっくす:そうですね。まさにと思います。私がコミュニティを始めたときは、未就学児の息子がいました。今は小学生になっています。子育ての課題って、生まれた直後や小学校に入る前のところが割とフォーカスされているので、それを乗り越えたら大丈夫だと思っていたんです。でも、私たちのコミュニティのメンバーのお子さんは、0歳から成人している方など幅広いのですが、子どもの年齢によって、小学校に入ったら入ったで不登校であったりとか、また違う課題があり、悩みが尽きないところがあります。子どもがもう少し成長すると、手が空いてきたから、自分はもう少し新しいチャレンジをしたいと思ったときに、心細かったり、どのように取り組んだらいいか分からないなど、いろんな課題感がお子さんの年代によってあることに気づきました。

森:ほんと、そうですよね!いま、なつみっくすさんが言ってくれたいろんな年代というのは、一つのキーだと思います。よくある様々なイベントって月齢、年齢で区切られますよね。だからこそ共有できることもあって良いのですが。。。

「この先についての得体のしれない不安がある」という言葉を私は聞くことがあります。

何の不安か分からないけど不安。この得体のしれないものの経験を、一歩先している人の話を聴けるとと、「それなら私も何とかなるかもしれない」と思える話を聴けると、だいぶ違ってきますよね。

なつみっくす:まさに、おっしゃる通りだと思います。小学校に入る前から、「小学校ってこうゆう感じなんだよという情報を私は得ていたので、準備や心の準備も含めてできました。何か聞きたいことがあっても、「メンバーのみなさんに聞いた方が良いよね」と思うので、事前にインターネットとかで情報を知っているだけでなく、人づてに持っている情報とか、経験してくれている人がそばにいることが安心感につながると思います。

森:そうですよね。昔は近所にいろんな年齢の子どもたちがいる家庭が多かったですが、今はほとんど近所にはそういう人が住んでいる確率が低く、かつ道遊びもなくなってきたので、住んでいたとしても出会わない、話さない。すると「オンラインご近所システム」のように、オンラインだけどご近所で情報を仕入れる場が求められているのかもしれないですね。

なつみっくす:そうですね。ご近所のつながりというのもメリット・デメリットがあると思っています。デメリットとしては「しがらみになって干渉される」と思う方もいらっしゃいます。私自身、そうゆうのは苦手だと思います。気軽に、と言いますか、ゆるやかにつながれるところや、出たり入ったりとか、地域を超えてつながれるというのは、メリットであり特徴的なところだと思っています。

■「母親をアップデートすること」とは?

森:そうですね。そうゆう意味で言うと、「アップデート」という言葉が私は好きだなと思っています。昔に戻ることではない。それが嫌で都心部に引っ越してくる人もいるでしょうし、あえてそうゆう関係を選んでいる人もいると思うので、今の時代に合った今の距離感や自分が選べる、自己決定できる部分が残されているつながり方が求められている気がしますね。

なつみっくす:そうですね。「アップデート」という言葉は私も好きです。おっしゃる通り、時代は進化していると思いますし、アップデートと言うと、「上へ上へ」という印象で誤解されることもあるんですね。「母親は既に頑張っているじゃん!」と。「まだ頑張らせるの?」ということも言われたりするんですけれども、私たちが意味している「アップデート」は上を目指す意味ではなくて、更新している状態こと。「手を抜く」とか「サボる」とか、そうゆうことも含めて、何か自分の中で常に細胞レベルで人間は変化をしていると思うんですけど、そうゆう変化を自分自身で感じながら、やっていくということだと思っています。

森:なるほど。私も「アップデート」という言葉の中にも、いろいろな意味があると思っていて、既存の「支援する」⇔「支援される」の関係からアップデートが必要だと思っています。私自身も16歳と15歳の子ども2人がいますが、やはり困る前から行ける場所とか、困っているという顔をしなくても行ける場所が必要。それは強がっているわけではなくて。しっかりとした恰好をして、頑張ってメイクをして、ベビーカーを引いて、精一杯外に出るじゃないですか。時にはメイクもできない状態もありながら。「お母さん、元気だね~」なんて言われながら街に出て。本当にそこまでの道のりって長くて長くて。でも「私は大丈夫」と思えている時間を少しでもつくれると、外の空気を吸って、自分をちょっとだけ取り戻した感覚になる。「明日も生きられる」という感覚があると思うんです。「支援の場」に行くことって、すごく大事な時もありますが、ハードルが高い時もあると思うので、そこをみんなでアップデートしていきたいです。困る前から、困っていることが何かも分からない時も行ける場所。

なつみっくす:そうですね。本当にそこは大共感です。こまちぷらすさんが間を埋めると言いますか、支援する⇔支援されるの関係じゃないところに共感します。どうしても支援することが上側で、支援されることが下側みたいな上下関係もイメージされがちですが、こまちぷらすさんや我々も同じだと思いますが、フラットな関係、お互いが対等な関係であることを大事にしたいです。自分が「支援されている」と思うと引け目を感じたり、ネガティブな感情を抱いて、それがすごく場に行くことへのハードルになる気持ちはあると思っています。そうゆうことではなく、フラットに行けることや「間(あいだ)」みたいな考え方にすごく共感しています。

森:私たちはどちらかというとリアルな場をつくろうとしています。まさになつみっくすさんが「中間」と言ってくださいましたが、まさにそれですね。飲食を通じて、ただカフェに行くような感覚で行ける場を目指しています。なつみっくすさんは、オンラインで行ける場所をつくっているじゃないですか。私が話していたある方が、産後の本当につらい時期は3歩歩くことすら難しい、外に出ることすら難しい時期があると言っていましたね。そうゆう方も、体を外に出すことができなくても、オンラインであればつながりやすいという声も聴くことはありますか?

■「オンラインで居場所をつくること」の良さ


なつみっくす:そうですね。今おっしゃっていただいたようなケースもあると思いますし、精神的に外へ出られないということだけではなく、小さな赤ちゃんを抱いて外に出ることって、電車に乗るのも大変だったり、泣いてしまい途中で帰らなければいけないとか、物理的な移動が障壁になることも多々あります。私たちの場合は、夜に子供が寝た後、21時くらいから集まることもありますが、そうゆう時も物理的に外出して、寝ている子どもを置いていくわけにはいかないんですね。オンラインであれば、子供を抱っこしながらでも参加できる。カフェだと「泣いてしまったらどうしよう」ということもハードルにあるので、そうゆうところがオンラインの良さだと感じますね。

森:なるほど。今、大事なポイントとして「物理的なアクセスへの障壁」というお話と、「時間帯的な障壁」を上げてもらいました。それらの障壁によって、「行きたくても行けない」ことがリアルの場にはあるな、とお話を聞いて思いました。

もう一つ、私が母親アップデートコミュニティさんの活動を見ていて、私たちが意識していることに近いのかなと思うことが、「母である」という一面ではない部分、好きなことや関心のあることのような、子育て以外の部分の「私」もあるじゃないですか。そこの時間を過ごす、没頭することを100%諦めて育児に集中しなければいけないという目に見えないプレッシャーと言いますか、「それが良い母だ!」という感じ。それがない「私」という存在を残しながら子育てができることにもフォーカスを当てているのではないかと思うのですが、どうですか?

■「母親」という役割への意識から「自分を取り戻す」

なつみっくす:そうですね。まさに、そうです。「母親」という役割を持った私のつながりということが大きいので、母親のコミュニティを言うと、「子育ての話をしているんですか?」とよく聞かれるのですが、おそらく子育ての話は私たちの活動で1割~2割くらいなんですよ。それ以外は、自分の好きなことですね。例えば「読書部」があって、本を読み合って語り合う集まりがあったり、「オタク部」があって好きなアニメについて語る集まりもあります。あと、先程「自分を取り戻す」というお話もあったかと思いますが、いきなり「母親」という役割や「子どもを最優先にしている」状態から、少し自分を取り戻していく。そして「自分が好きだったものって、なんだったっけ?」とか新しいものに興味を持ったりすることが生まれることが特徴的と言いますか、大事にしているところですね。

森:そうですよね。ちょうど私もこまちパートナーの方々と月曜日にお話をしたのですが、子育て期って環境がすごく激変するじゃないですか。その時ってやっぱりアイデンティティクライシスと言いますか、自分が出会ったことのないような感情や「なんで私って、こんなに怒っているの?」みたいなものと出会ったり、自分がすっからかんになったような感覚によって、自分が分からなくなっていく時期を迎えると思うんです。だからこそ、「私って、何が好きだったっけ?」ということを考えたり、そこに触れることって、とっても大事なことですよね。

なつみっくす:そうですね!課題としては、なかなか自分と向き合う時間や機会が取れないことや、小さなお子さんを育てている方は、「大人と話す時間もないです・・・」という状態だと、なかなかそこに気づけないところがあります。なので、自分のことを話せる時間をつくることは意識していますね。

森:そうゆう時間や機会をどのようにつくっていけるかは、一つ大きなキーのような気がしています。ただ私も子育ての渦中を思い出すと、それがニーズであることに自分自身で気が付けなかったんですよね。「私が求めているのはこうゆう場だ!」って明確に思えていたわけではなくて、どちらかと言うと想像できていたのは、「ミルクって、この温度で良いの?」とか、そうゆうことで頭がいっぱいで。でも、本当は根っこが解消しない限り、得体のしれない不安やモヤモヤが解消しないことは、だいぶ後になって気付きました。「孤立した子育て」がなくなったり、「まちで子育て」をしたいときに、スロープみたいな存在が必要だと思います。視野が狭くなって「どうしよう・・・」と小さな不安をクリアしていきながら、入りやすい入り口もありつつ、でも、そうじゃない関心ごとにも自然と出会えたりすることが連続してあるイメージですね。

なつみっくす:なるほど

森:だからコミュニティ同士がつながっていくことが大事だと思います。

なつみっくす:本当にそうですよね。コミュニティを運営するようになって思うことは、いろいろなコミュニティがたくさんあることによって、どこかに居場所を持てることが大事だと思っています。価値観や考え方もどんどん多様になってきている中で、大きいコミュニティに所属することだけではなく、いろいろなコミュニティがあって、どこかにつながっていること。きっかけは人それぞれだと思います。「産後すぐに誰かとつながりたい!」とか、ふらっと立ち寄った場所で誰かと話さず一人でいても、「安心だ!」と思えたりとか。いろいろなタイプの居場所をつくっていくためのプラットホームをこまちぷらすさんとして、今回のクラウドファンディングで実現しようとしていることに、すごく共感します。リアルの場をつくってきたこまちぷらすさんだからこそ、挑戦できることだと思います。応援しています!

森:すごく嬉しいです!ありがとうございます。最後に少しクラウドファンディングの説明をさせてください。いま、なつみっくすさんが言ってくれたみたいに、いろいろな種類の、いろいろなカラーの場が、オンラインではもちろんのこと、リアルでも必要だと思っています。昨年調査をしたところ「自宅から30分圏内にあること」が大事である結果が見えてきた中で、全国に居場所をつくりたいという仲間が、こまちカフェやこよりどうカフェにたくさん来ているんですよ。北海道から沖縄まで。

でも、みなさんが実際に居場所をつくろうと思ったときに、あまりにも場をつくりにくい社会なんです。お金を貸してもらえないですし、場所を借りようと思っても断られますし、仲間を集めようと思っても志を共にする仲間が見つからない。

想いがあるのにつくれない仲間がたくさんいるので、今は越境をし、いろいろなコミュニティの方々と対談をしたり、一緒に発信をしながら、「日本中のみんなで土壌をつくっていこう!」と。居場所をつくりやすかったり、自分を回復させながらやりたいことが見つかり、仲間ができていくこと。「まちで子育て」ができるようになっていくような社会を描くために、挑戦をしています。

母親アップデートコミュニティのみなさまにもたくさん応援をいただきました。本当にありがとうございます。ぜひ応援していただけたら嬉しいです。ということで、今回はなつみっくすさんと対談をさせていただきまして、ありがとうございました。

なつみっくす:ありがとうございます。

森:ぜひ一緒に作る仲間になつみっくすさんも、みなさんにもなっていただきたいですし、周りに挑戦をしている人がいたら応援をしていただけたら嬉しいです。今日はありがとうございました!


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